「子どもには自信をもってもらいたい」
そう願う親はきっと少なくないと思います。でもこの「自信」って、いったい何でしょう?どうやって育つんでしょう?というのも、今、子どもの不登校は社会問題と言われるほど増加しています。これらの子どものSOSは【自信】と関係があるのでしょうか?また、その【自信】は親の関わり方や第三者のサポートをで育むことが出来るのでしょうか?そんな疑問について、今日は深堀りしていきたいと思います。
人が生まれてから死ぬまでの間、心がどう変化し育つかを解き明かす学問である発達心理学では、【自信】を二階建ての建物に例えます。
・一階は「ありのままの自分でいい」という安心感
・二階は「自分ならできそう」という期待感
この一階部分は、全ての成長を支える土台です。「ありのまま自分でいい」・「ここにいて(存在して)いいんだ」という安心感、これらは自分の存在そのものを肯定する感覚です。
そしてこの安心感、実はその子が持つ発達特性と深く関わっているんです。
気持ちのキャッチボール
というのも、発達障害(神経発達症)といった脳の特性があるお子さんは、親の愛情をストレートに受け取ることが難しい場合があります。感覚の過敏さや認知の独特さにより、良かれと思ったコミュニケーションが苦痛に感じられたり、意図が思うように伝わらなかったりすることで、安心感の土台である「愛着形成」に時間がかかる。すなわち、脳の特性により「気持ちのキャッチボールに時間がかかる」場合が多くあるんです。
例えば、赤ちゃんの頃から目が合いにくい・抱っこを嫌がる・反応が薄いといった特性があると、どうでしょう。ママは「拒絶された」と感じて自信をなくしてしまうことも少なくありません。また、激しいパニックや多動がある場合、子育ての大変さからママが心身ともに疲弊し、子どもと安定したコミュニケーションをとることが難しくなる時もあります。
でもそれは、決して愛情不足ではなく「伝わり方のズレ」が生んだ難しさなんです。
発達特性ゆえの大変さ
子どもが自信なさげにしていたり、ママのアクションに反応が薄かったりすることが多いと、親としての自信もしぼんでしまいますよね。でも、決してママの関わり方が悪いのではありません。
例えば、感覚過敏があるお子さんは、日常生活の中でストレスを感じる場面が多くなり、不安や緊張が高まりやすく、肩こりや頭痛・めまいや腹痛といった身体症状が出る場合も多くあります。また、ADHDやASDといった神経発達症のお子さんは、睡眠ホルモンや覚醒を促すホルモンの分泌量が少ないなどの特徴から睡眠リズムが整いにくく、日中活動に影響が出ることが少なくない、といわれています。
そして実は、この発達特性というのは、診断名だけでは十分理解できない程千差万別です。そのため、同じ神経発達症(発達障害)でも「A君はこうなのにうちの子はなんで違うんだろう…」ということは沢山おこります。
多角的・専門的が効果的な理由
だからこそ、一人ひとりの発達特性を医学で紐解き、看護の力でエンパワー(能力を引き出す)する。医師・看護師・学校の先生・地域の様々な支援者、等々、、色んな専門家にみてもらい意見を集約することで、お子さんの「自信を育む鍵」は見つかりやすくなり、その結果、あれよあれよという間に自信が大きく育まれていった、という結果につながりやすいんです!
もしも今、「私の育て方が悪いんだ…」と落ち込んでいたら、その悩みや苦しみを私たちに話してみませんか?私たちは、それぞれの専門分野でキャリアを積んだ医療の専門家集団です。ママの悩みや不安に寄り添い、その一歩を丁寧に共に歩んでいく準備はできているので、LINEやお電話でご連絡くださいね。
「自分なら出来そう…!」
さて、話を戻して、自信を構成する要素の2つめ、二階部分に当たる「自分ならできそう」という期待感。これはどのようにして育っていくのでしょうか?
実は、これも一階部分と同じ、その子が持つ個性と深くかかわっています。事実、周りを見渡してみれば、生まれつき根拠のない自信に満ちあふれている人もいれば、自信を育むのに時間がかかる人もいますよね。これは、背の高さや声のトーンが違うのと同じ、その人が持つ【個性】なんです。人はみな、固有の特性を持って生まれてきます。その個性の軸(気質)は、大人になっても基本的には大きく変わるものではありません。私たちはその「軸」を持ちながら、置かれた環境に影響を受け、自分なりに折り合いや新たな学びを得ながら成長していきます。
なので、今、もしもお子さんが自信を持てずにじっとしているなら、それは「今の場所」と「個性」の相性が少し合っていないという事も考えられます。家に安心感がある場合、日々を過ごす環境の一部をちょっと変えたら・日々接する人をちょっと変えたら【その子の歩みが進み始めた】、ということは、ひきこもり状態にある方の支援を多くしてきた私は強く実感していることです。
結論:自信はもともと持っている個性を軸に
環境に影響を受けながら育っていく
つまり、「みんなと同じような自信」を持っていなくても、大丈夫!
ありのままのあなたで大丈夫
繰り返しになりますが、もしも今、お子さんが自分を否定してしまっていたとしても、それは決して本人がダメなわけではありません。ましてや、お母さんの育て方のせいでもありません。一番大切にしてほしいのは、「自信がない」という自分や家族の状態を責めないことです。
「自信を持たなきゃ」と無理に背伸びをする必要はありません。むしろ、自信のない人の方が慎重に物事を進める傾向にあるので、結果的に大成功することは多々あります。私が以前勤めていた職場では、優秀な人の多くが自信がなさそうで謙虚なタイプだったことも記憶に新しい事実です。
春は新学期や習い事のクラス上げなど、何かと自分の成長を意識させられる時期です。そんな時、子どもがナーバスになって不安を感じ、会話の中で何か吐露してくれたら、まずは【今は〇〇だと思っているんだね】と、ありのままの状態を認めてみましょう。その際は、お子さんが発した言葉を【オウム返しする】というのがコミュニケーションのコツの一つです。
世間の物差しではなく、その子独自の物差しを大切に育む。その安心感の土台さえあれば、お子さんは自分のペースで、自分らしい歩み方を必ず見つけていけます。それは、小学生の不登校や25年間のひきこもり等、数々の方の社会復帰をサポートしてきた私が強く実感している事実です。
安心してください。あなたは決して一人ではありません。小児科医師・精神科医師・心理士・保健師・助産師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語療法士…実は多くの専門家が、あなたと家族の悩みをサポートする準備を整えています。
子どもの日々の小さな変化に気付き、「あなたはそのままで価値がある」と子ども自身が感じられるコミュニケーション方法を一緒に試行錯誤していく、子どもの得意を見つけて伸ばす、生きていくために枷となる障害は弱めたり取り除く手段を一緒に考える。一人で向き合うには大変なそれらのプロセスを、医療の専門家たちと一緒に取り組んでみませんか?
”他者に頼る”そのワンアクションが子どものしなやかな心を育て、家族の笑顔がますます増えるきっかけになるかもしれません。